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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻10号

2003年09月発行

文献概要

増刊号 包括医療と臨床検査 第2章 各論―疾患の診断治療のために最小限必要な検査

36.出血性疾患

著者: 川合陽子1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部

ページ範囲:P.1154 - P.1163

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 はじめに

 出血性疾患とは,血管,血小板,凝固因子・抗凝固因子,線溶因子・線溶阻止因子などの先天的・後天的に起こる量的質的異常によって引き起こされる出血傾向または止血困難を呈する疾患である.包括医療が進むと,臨床検査を効率よく選択し,診断や治療に反映する医療戦略を模索することにより医療経済が効率化されるといわれる一方,粗悪診療や過少検査が危惧されている.しかし,出血性疾患では,出血が頭蓋内などの致死的な部位に出現する場合や,出血が止まらず大量出血を起こすと,致命的となる.臨床医は出血症状が出現してからではなく,出血傾向の出現・増悪を予知して治療を優先しないと,取り返しのつかないこととなる.そのためにはできるだけ出血傾向の鑑別をするための臨床検査を効率よく施行することが大切である.

 本稿では,出血性疾患の患者における臨床検査の進めかたについて概説する.出血性疾患は多岐に渡り,疾患により検査の項目や検査回数などは異なるので,包括医療として扱われる点で,問題と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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