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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻11号

2003年10月発行

文献概要

私の必要な検査/要らない検査

腫瘍マーカー検査―検査医の立場から

著者: 伊藤喜久1

所属機関: 1旭川医科大学臨床検査医学

ページ範囲:P.1226 - P.1230

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 腫瘍マーカーは腫瘍細胞,あるいはそれに反応性に増加した免疫応答細胞から分泌される蛋白,ペプチドホルモン,酵素,多糖類など,体液濃度の増加を指標に,診断,予後の推定,フォローに利用されている成分である.正常でも微量に存在することから腫瘍関連増加物質の呼称がより適当と思われる.癌関連遺伝子,組織局在証明など,さらにはマイクロチップの利用によるプロファイリングなど,特異的,高感度に早期に捉える立場から,新たな検査システムが生まれ,また既存のシステムの改善向上が得られてきている.

 臨床的意義の高いマーカーは極めて限られている.腫瘍マーカーの切れ味は臨床家がよく把握していて,長い臨床利用のなかで自然淘汰が進められてきた.一方検査の立場からは,より精度保証システム,測定システム機能の充実の視点から,真に病態を反映したものが求められてきた.ここでは臨床,検査の両方の視点からぜひ残したい,あるいは基本理念の持ちかたから重要と思われる代表的な腫瘍マーカーに的を絞って,まとめてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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