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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻11号

2003年10月発行

文献概要

トピックス

風疹ウイルス抗体測定の現状と問題

著者: 吉田浩1

所属機関: 1福島県立医科大学臨床検査医学講座

ページ範囲:P.1253 - P.1254

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風疹の概要

 風疹(rubella)はGerman measles,わが国では「三日はしか」とも呼ばれている.本症はRNA virusで,トガウイルス科,ルビウイルス属に分類される風疹ウイルスにより引き起こされる小児の軽症の発疹症で,飛沫感染により伝播する.妊娠初期の妊婦が感染し胎児が経胎盤的に感染すると死産や流産がみられ,出生児では白内障,心室中隔欠損,難聴などの奇形が高頻度に認められ,これらは先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome;CRS)として知られ,妊婦や家族が最も心配するものの1つである.

 風疹ウイルス感染により2~3週間の潜伏期間を経て発疹が発現し,それは約3日間で消退する.ウイルスは発疹発症の約1週間前より血中や咽頭より検出され,発疹後,血中では約3日以後には検出されなくなる.発疹は他のウイルスによる発疹との鑑別が難しい場合がある.また,不顕性感染の頻度も高く,風疹ウイルス抗体(風疹抗体)検出が重要となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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