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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻12号

2003年11月発行

文献概要

ラボクイズ

10月号の解答と解説

著者: 伊瀬恵子1

所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1293 - P.1293

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【問題1】 解答:①細菌

解説:本症例は子宮癌と診断され,手術を行ったが肺に転移し,抗癌剤や放射線治療,さらに抗菌薬を大量投与された患者尿に見られた細菌である.1個の細菌は,発育し二分裂して増殖するが,尿などの液状検体中に存在するグラム陰性桿菌は,β-ラクタム系抗菌薬(ペニシリン系,セフェム系,モノバクタム系,カルバペネム系)の長期投与により,細胞壁の合成阻害を起こす場合がある.細胞壁の合成が阻害されて二分裂できなくなった菌体は,伸展したり一部が球状に膨大する場合がある.問題1の細菌は,球状部分を形成しながら伸展増殖した大腸菌(Escherichia coli)である.ほかに図1に示したように伸展して増殖するものもある.酵母様真菌や円柱などと間違えやすいので注意が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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