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絵で見る免疫学 基礎編 47
TH1とTH2のバランス(1)―樹状細胞が果たす役割
著者: 高木淳1 玉井一2
所属機関: 1ダイナボット㈱器機診断薬事業部 2栄光病院
ページ範囲:P.1294 - P.1295
文献購入ページに移動単球,マクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞は病原体を取り込み,生体防衛の第一線で貪食細胞として活躍し,さらに取り込んだ病原体をナイーブCD4陽性T細胞に提示して自然免疫系から獲得免疫系へ橋渡しする免疫機構の司令官である.なぜならば,抗原提示細胞がMHCクラスとともに抗原をナイーブCD4陽性T細胞に提示するとナイーブCD4陽性T細胞はTH1細胞またはTH2細胞に分化して獲得免疫機構が誘導されるからである(図1).
病原体の細胞内への感染に対してはTH1細胞が感染細胞に動員され,感染細胞を破壊して病原体を排除する.すなわち,TH1細胞は細胞性免疫を誘導する.一方,病原体の細胞外感染に対してはTH2細胞が活性化されて体液性免疫が誘導されて抗体を産生して病原体は排除される.では,抗原提示細胞から抗原を提示されたナイーブCD4陽性T細胞はいかなる要因でTH1細胞またはTH2細胞へ分化するのであろうか.その鍵は樹状細胞(DC:dendritic cell)が握っている.
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