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絵で見る免疫学 基礎編 48
TH1とTH2のバランス(2)―TH1とTH2への分化
著者: 高木淳1 玉井一2
所属機関: 1アボットジャパン㈱器機診断薬事業部 2栄光病院
ページ範囲:P.1376 - P.1377
文献購入ページに移動DC1とDC2の活性化
骨髄系共通幹細胞と起源を同じくするランゲルハンス細胞(Langerhans cell),単球やマクロファージなどを活性化するサイトカインの1種である顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte-macrophage colony stimulating factor,GM-CNF)によってpre-DC1からDC1が活性化される.したがってDC1は単球やマクロファージの近縁の細胞属性を持ち,インターロイキン(interleukin;IL)-12を産生する.T細胞やB細胞と共通の前駆細胞であるリンパ系共通幹細胞を起源とするDC2がpre-DC2からの活性化はGM-CSFに依存しない.その活性化はGM-CSFではなくIL-3である.DC1と異なり,IL-12の産生はほとんどないがウイルスやある種の細菌を貪食することによって1型インターフェロン(interferon;IFN)-α/βを産生する.1型IFNは抗ウイルス活性が強いサイトカインなので,DC2はウイルス感染に際し最初の生体防衛として活躍する免疫細胞である(図1).
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