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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻13号

2003年12月発行

検査じょうほう室 一般検査:一般検査のミステリー

青空検尿での偽陽性反応

著者: 高橋かおる1 神野勉1 西田勝彦1 東塚伸一1 小谷和彦2

所属機関: 1㈶兵庫県予防医学協会保健環境部 2鳥取大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.1391 - P.1393

文献概要

採尿の場所

 一般的な尿検査が行われる場所といえば,検査技師も含めて多くの方は病院内のトイレと直結した検査室を連想すると思われる.しかし,検査技師の職場としては“健診センター”もある.健診での尿検査は,検査室とは異なる環境,例えば店舗の通用口や集会所のトイレの前で行われたりもする.健診会場が狭いときには屋外での検査を余儀なくされることもある.

全員が糖尿病?

 住民健診で適当な検尿スペースがなく,集会所の軒先を借りて一連の尿検査を行ったことがある.その日は快晴であった.正午に近づいて太陽はだんだん高くなり,軒先は直射日光の照りつける日向になってしまっていた.ふと気づいた.「あれっ? 尿糖が陽性者ばかりだ」.50歳過ぎの女性受診者が立て続けに尿糖陽性の結果になった.採尿時の絶食を確認したが,それは守られていた.全員これまで尿糖陽性を指摘された経歴もないとのことであった.今回ばかりは合点がいかない.また,よく見ると尿潜血反応もわずかに呈色していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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