icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻13号

2003年12月発行

文献概要

検査じょうほう室 緊急:現場から学ぶ対処法

災害医療と臨床検査―災害は忘れる前にやってくる

著者: 竹下仁1

所属機関: 1大阪府三島救命救急センター検査科

ページ範囲:P.1394 - P.1395

文献購入ページに移動
 はじめに

 みなさんは交通事故の患者さんの治療に立ち会ったことがありますか? 血まみれで手足がボキボキの状態を想像する人も多いのではないでしょうか.実際,交通事故などの外傷では脳,肺,心臓,肝臓,腎臓,腸管などの臓器,血管,骨,全身の皮膚・筋肉など体のあらゆる部位の損傷が考えられます.図1は当センターの災害医療訓練の写真です.搬入されると直ちにモニター装着,バイタルサイン*の確認が行われ,呼吸管理,循環管理などの処置が始まります.エコー,X線,血液検査などの検査も同時進行で,処置室は医師・看護師・放射線技師・検査技師・救命士などが慌ただしく動き,指示・確認の大声が飛び交い,まさしくテレビドラマ「ER」です.救命医療は1分ではなく1秒を争う時間との闘いでもあるのです.1人の重症外傷でもこれだけの慌ただしさです.このような患者さんが同時に何人も運び込まれて来る災害医療における迅速かつ正確な検査情報の提供について考えてみましょう.

*バイタルサイン(vital signs)…バイタル(vital)とは,「生命の」「活力ある」という意味で,バイタルサインは生きていることを表す身体徴候の総称.呼吸・脈拍・血圧・体温・意識の5項目の観察で行われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?