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けんさアラカルト
尿蛋白質分画の測定法
著者: 町井涼子1 栗原由利子1
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科先端情報応用検査学
ページ範囲:P.1398 - P.1399
文献購入ページに移動 尿中蛋白質の解析は,腎実質や尿路系疾患のスクリーニングのみならず疾患の早期診断や治療効果の判定に際しさまざまな有益な情報をもたらす.尿中蛋白質分画には,蛋白質の荷電や分子サイズによってさまざまな分画法があり,セルロースアセテート膜(以下,セア膜)電気泳動法,SDS(sodium dodecyl sulfate)ポリアクリルアミドゲル電気泳動法,キャピラリー電気泳動法,二次元電気泳動法などがある.われわれは,これらのうち再現性が高く,手技が簡便で,かつ短時間で尿中蛋白質解析が可能なセア膜電気泳動法に着目し,臨床応用への発展を探っている.
セア膜電気泳動は,日常検査で主に血清蛋白質の分画に用いられている手法だが,尿中蛋白質分画にはほとんど用いられていない.その大きな原因は高感度な蛋白質染色法がないことである.そのために健常人尿や極めて微量な蛋白質尿の解析には濃縮が必須であること,基準となる健常人の蛋白質分画が把握できていないこと,臨床応用の可能性があるかどうか判断できていないことの3点がある.これを解決すべく,当研究室では高感度銀染色法1)を開発した.
セア膜電気泳動は,日常検査で主に血清蛋白質の分画に用いられている手法だが,尿中蛋白質分画にはほとんど用いられていない.その大きな原因は高感度な蛋白質染色法がないことである.そのために健常人尿や極めて微量な蛋白質尿の解析には濃縮が必須であること,基準となる健常人の蛋白質分画が把握できていないこと,臨床応用の可能性があるかどうか判断できていないことの3点がある.これを解決すべく,当研究室では高感度銀染色法1)を開発した.
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