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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻2号

2003年02月発行

トピックス

抗VRE抗菌薬

著者: 宮崎修一1

所属機関: 1東邦大学医学部微生物学講座

ページ範囲:P.151 - P.153

文献概要

 リネゾリド(linezolid),quinupuristin/dalfopristinがvancomycin-resistant Enterococcus faeciumを適応菌種とした抗VRE抗菌薬である.また,現在開発中のテトラサイクリン系のtigecyclineも抗VRE作用を示すので,これら抗菌薬の特徴の概要を述べる.

 ■各抗菌薬の作用機序

 リネゾリドはオキサゾリジノン系抗菌薬であり,その基本構造を図1に示す.この抗菌薬は各種抗菌薬耐性菌を含むグラム陽性菌に対して強い抗菌活性を示すが,グラム陰性菌に対しては抗菌活性が認められない.その作用機序は,50Sリボソームに結合することにより50Sと30Sリボソームの複合体形成(70Sリボソーム)を阻止し,細菌細胞の蛋白合成が阻害される.また,その作用の特異性から,他の蛋白合成阻害薬との間に交叉耐性は生じないといわれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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