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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻3号

2003年03月発行

文献概要

絵で見る免疫学 基礎編 39

血液型抗原(2)―赤血球膜の構造/ABH抗原

著者: 高木淳1 玉井一2

所属機関: 1アボットジャパン㈱器機診断薬事業部・営業学術 2栄光病院

ページ範囲:P.252 - P.253

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膜蛋白質

 赤血球膜の蛋白質は脂質二重層の中にはめ込まれ,疎水性の蛋白質は脂質二重層の疎水性部分に,親水性の蛋白質は水と接する膜の内側と外側に局在し,Na-Kポンプや,H2OとHCO3が自由に往来できる通路(anion channel)やブドウ糖が赤血球内に入る通路を作っている.赤血球膜内側はスペクトリン(spectrin)と呼ばれる蛋白質の骨組みで補強されている.スペクトリンは分子量20万Daでα鎖とβ鎖から成り,互いによじれあってコイル状をなし,筋肉のミオシン(myosin)のように収縮性に富んだ六角の網目を形成して脂質二重層を裏打ちし,自在性に富んだ赤血球の球状形態を保っている(図1).


遺伝形質,表現型,遺伝子型

 親から子へと予測可能な様式で受け継がれる目や髪の色などを遺伝形質という.遺伝において,目に見えたり実測できる性質を表現型(phenotype)と呼ぶ.遺伝子によっては目の色や髪の色などのようにいくつかの異なる表現型が決められる場合があり,これを対立遺伝子(allele)という.表現型を作り出している遺伝子的因子を遺伝子型(genotype)と呼ぶ.ABO式血液型には4種類の表現型すなわちA,B,ABおよびO型がある.ABO式血液型は,第9番染色体上の長腕に位置し,1遺伝子座に3対立遺伝子(A,B,O)が存在する.両親から1つずつの遺伝子を受け取るため,各人3種類の遺伝子のうち2つを持っている.その遺伝子型すなわち,形質を表す遺伝構成は,AA,AO,BB,BO,ABそしてOOである.遺伝子AとBは遺伝子Oに対して優勢であるため,図2に示すような表現型を出現させる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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