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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻3号

2003年03月発行

文献概要

検査データを考える

尿中低分子蛋白

著者: 伊藤喜久1

所属機関: 1旭川医科大学臨床検査医学講座

ページ範囲:P.263 - P.267

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低分子蛋白とは

 低分子蛋白(low molecular weight protein)は通常尿中に存在し,分子量が5万以下,あるいは6万7,000(アルブミンの分子量)未満で,血清由来の蛋白を指す.これはβ2-ミクログロブリン(β2-m)を発見したスウェーデンのBergga°rdらの定義による1)

 低分子蛋白が発見された当初はすべて血清由来と考えられていたが,精漿,浸潤細胞由来など局所で産生され尿中に混入あるいは血中から尿中へ直接移行する低分子の成分が多く存在しており,本来の定義づけが極めて曖昧なものとなっている.したがって,現段階では腎尿細管に関連して生理,病的状態で尿中に排泄増加する分子量1~5万の血清由来の蛋白質群と定義づけるのが妥当であると筆者は考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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