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私の必要な検査/要らない検査
脂質検査―臨床検査医の立場から
著者: 久保信彦1
所属機関: 1自治医科大学臨床検査医学教室
ページ範囲:P.274 - P.279
文献購入ページに移動はじめに
今日,大部分の臨床化学検査室では血清脂質が測定される.動脈硬化の危険因子の1つとして血清脂質を評価することが日常業務として重要である.昨今,国内で統一した脂質の基準値が勧告されているが,脂質の臨床検査値を多施設間で共有するうえで,測定上,解消されるべき課題が多数ある.例えば,施設間差(同一検体を各々の施設で測定した際の測定値間の差異)は最小限である必要があるし,そのほかの測定値間差を生む要因を排除する必要がある.最近の測定法の精度の向上は目覚ましい.酵素法の普及により総コレステロール(total cholesterol;TC)や中性脂肪(triglyceride;TG)といった臨床上重要な脂質項目の測定の誤差変動は以前と比較して著しく小さくなった.そのような背景を踏まえて,以下に脂質に関して臨床検査医の立場から必要な検査,要らない検査について述べる.
今日,大部分の臨床化学検査室では血清脂質が測定される.動脈硬化の危険因子の1つとして血清脂質を評価することが日常業務として重要である.昨今,国内で統一した脂質の基準値が勧告されているが,脂質の臨床検査値を多施設間で共有するうえで,測定上,解消されるべき課題が多数ある.例えば,施設間差(同一検体を各々の施設で測定した際の測定値間の差異)は最小限である必要があるし,そのほかの測定値間差を生む要因を排除する必要がある.最近の測定法の精度の向上は目覚ましい.酵素法の普及により総コレステロール(total cholesterol;TC)や中性脂肪(triglyceride;TG)といった臨床上重要な脂質項目の測定の誤差変動は以前と比較して著しく小さくなった.そのような背景を踏まえて,以下に脂質に関して臨床検査医の立場から必要な検査,要らない検査について述べる.
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