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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻3号

2003年03月発行

文献概要

書評

―日本臨床薬理学会認定 CRCのための研修ガイドライン準拠―CRCテキストブック

著者: 岩井富美恵1

所属機関: 1岡山大学医学部附属病院中央検査部

ページ範囲:P.294 - P.294

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 治験とは,新薬の製造や輸入の承認を受ける資料として厚生労働省へ提出するためにする臨床試験である.治験は,治験依頼者が医療機関と契約することによって医療機関で実施される.冶験を実施する際には,“新GCP(good clinical practice)”の遵守が薬事法により規定されている.このことから,治験は通常の医療業務とは区別された業務であることがわかる.研究的要素を含み,治験に参加する薬ボランティアに対する配慮,治験に際して生じる健康被害補償などは,通常の医療とは異なった面である.

 CRCはclinical research coordinatorの略語である.CRCが特に治験を支援して働く場合は,治験コーディネーターと称されている.CRCは依頼者,治験責任(分担)医師,薬ボランティアの間に入って治験の円滑なる実施をサポートする必要から生まれた職種である.実際に治験を実施するうえでの問題点は,多岐にわたっており,CRCの質が治験の質を決定するとまでいわれている.CRCは現在のところ国家資格でもなんでもない.だれでもなることができる.機会さえあれば.各医療機関でのCRCの雇用形態は一様ではない.CRCとしては,主に薬剤師,看護師,臨床検査技師が業務にかかわっているが専門職種に限定されているわけではない.日本病院薬剤師会や日本看護協会では既に数年前より,独自のCRCの養成研修会を重ねており,文部科学省,厚生労働省もCRCの養成研修会を開催してきている.日本臨床衛生検査技師会でも2002年6月に第1回の研修会が開かれた.CRCとして現在治験業務に従事している人はなんらかの研修会を受講しており,他施設の治験業務の見学などで自己研に励んでいる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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