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オピニオン
検査部(室)に求められているもの
著者: 保嶋実1
所属機関: 1弘前大学医学部臨床検査医学講座
ページ範囲:P.306 - P.306
文献購入ページに移動検査部の業務の原点は,診療のニーズに即応した検査を迅速にしかも経済効率よく実施し,得られた良質の検査情報をまた迅速にしかもタイムリーに提供することによる診療支援である.このような基本的診療支援に加えて各々の診療施設の設立の目的や目標さらにその課せられた任務に応じた機能の分担が検査部にも求められるのは当然のことであろう.私の所属する地方国立大学附属病院の検査部を例にとれば,医師,臨床検査技師などを目指す学生を中心とした医療系各分野学生の臨床検査教育を担当するのは当然のことと考えて実践している.また,併存する検査領域を専門とする講座の教官や研究者と一体となって,特定機能病院としての高度先進医療を担う検査法の研究開発やその実践のための業務を行うことも極めて当たり前のこととして行っている.さらに地方にあっては地域医療の中核基幹病院として救急医療を担い,24時間の緊急検査体制などの構築も必須となる.このような観点からすると言葉は多少不穏当となるが,国立大学附属病院のマネジメント改革に関する提言ははなはだ不備で,国立大学附属病院検査部に特に求められている機能についての視点が全く欠落しているといわざるを得ない.
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