icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻5号

2003年05月発行

文献概要

Laboratory Practice 病理:細胞像からここまでわかる

体腔液(4) 白血病・リンパ腫

著者: 堀内啓1 牛島友則1 松谷章司1

所属機関: 1NTT東日本関東病院病理診断部

ページ範囲:P.420 - P.424

文献購入ページに移動
はじめに

 体腔液中に白血病あるいは悪性リンパ腫の細胞が出現することは,癌腫に比べれば頻度は低い.しかし,鑑別診断においては,常に念頭に置くべき疾患である.特に小児では,これらの疾患が原因となる体腔液貯留が成人に比べて頻度が高く,重要である.白血病やリンパ腫の体腔への浸潤は,進行した病期に発生することが多いが,時には体腔液の貯留が初発症状のこともある.悪性リンパ腫の場合,体腔以外の部位に腫瘤を形成する原発巣があり,それが体腔へ浸潤することがほとんどであるが,稀に,体腔液中にリンパ腫細胞が出現するが,ほかに腫瘤を形成する原発巣がなく,原発性体腔液リンパ腫(primary effusion lymphoma)とよばれる疾患も知られている.また,白血病・リンパ腫の細胞形態の観察には,パパニコロウ染色(Papanicolaou stain)だけではなく,ギムザ染色(Giemza stain)や免疫細胞化学も重要であり,標本作製の際に留意が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?