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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻5号

2003年05月発行

文献概要

ラボクイズ

4月号の解答と解説

著者: 大家辰彦1 犀川哲典1

所属機関: 1大分医科大学臨床検査医学

ページ範囲:P.429 - P.429

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【問題1】 解答:④ WPW症候群(Wolff-Parkinson-White syndrome)

解説:本症例の心電図はQRS波形の前にP波が先行しPQ間隔は80msecと短縮している.またデルタ波によるQRS幅の延長が認められる典型的なB型WPW症候群である.この心電図変化は洞調律時,心室が正常の房室伝導路を介する興奮と副伝導路を介する興奮による融合収縮をなすためである.副伝導路の伝導速度が速いため,これを介する心室筋の早期興奮が心電図上PQ間隔の短縮とデルタ波を形成する.脚ブロックおよび心室内伝導障害でもQRS幅は延長するが房室結節内伝導は正常であるためPQ間隔は短縮しない.心室補充調律ではQRS波形にP波が先行しない.

【問題2】 解答:(2) 発作性上室性頻拍症

解説:図2の心電図は幅が狭いQRS波でR-R間隔が整の頻脈であり,QRS波に先行するP波は認められない(↓に逆行性陰性P波が観察される).このような心電図を呈する頻脈を発作性上室性頻拍症と呼ぶ.心室頻拍はQRS幅が広く房室解離となるためP波とQRS波とが1:1対応をしない.心房細動は頻脈の場合でもR-R間隔が不規則となる.洞性頻脈はQRS波の前にP波が観察される.心房粗動の2:1伝導時はR-R間隔が整となるがF波が観察される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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