icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻5号

2003年05月発行

復習のページ

血清分離後にフィブリン析出する検体への対処法

著者: 下広寿1 小谷和彦2 飯島憲司2

所属機関: 1鳥取大学医学部附属病院検査部 2鳥取大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.452 - P.453

文献概要

[フィブリン析出との遭遇]

 透析患者検体のように血清分離後にもフィブリンが析出する場合,前処理を十分に行わないと,フィブリンが自動分注機や自動分析装置のノズルや電極に詰まって,正確な結果を得ることができない.さらに次検体のサンプリングにまで影響を及ぼす可能性もある.このように血清を用いる検査の場合,血清分離後のフィブリン析出には注意が必要である.学生時にはフィブリンが析出するような血清を扱う実習まではなかなか行われておらず,このことへの注意は臨床現場に出て初めてわかってくる.

[フィブリン析出の真相]

 血液を体外に取り出し試験管に入れておくと,暗赤色の固まりができる.これは血液中のフィブリノゲンがフィブリンに変わる現象である.つまりフィブリンの網目の中に血球成分がからまっているのだ.これを静置するとフィブリンと細胞成分の塊状物(血餅)は収縮して小さくなり淡黄色の液体が分離する.これが血液からフィブリンと細胞成分を除いた血清である(図1)1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら