文献詳細
けんさアラカルト
文献概要
心筋細胞の逸脱蛋白質を用いた心筋梗塞の診断は約半世紀前に1950年代にKarmenらによるトランスアミナーゼを用いた検討に始まり,1960年代に酵素活性の測定(creatine phosphokinase;CPK,lactate dehydrogenase;LDHなど)へと発展した.微量蛋白質の測定への関心が高まり,1970年代に心筋ミオシン軽鎖やトロポニンの研究が行われるようになった.心筋ミオシン軽鎖の測定系は筆者が所属する研究室で開発されたものであり,前教授矢崎義雄先生ならびに現教授永井良三先生らが中心となって世界に先駆けて研究開発した,日本オリジナルの産物である.亜急性期の心筋梗塞の世界初めての生化学的な診断マーカーとして,心筋ミオシン軽鎖は重要な役割を果たしてきた.現在でもコンスタントに使用されており,臨床の場において有用な検査である.
ミオシンは人体内で最も多く存在する蛋白の1つであり,特に筋組織では豊富で,アクチンとともに重合し,筋収縮機構を形成する.ミオシンは心筋には2種の重鎖と4種の軽鎖が存在する.分子量200kDaの重鎖がダイマーを形成し,頭部に20kDaの軽鎖と17kDaの軽鎖とが結合する.本系は心筋ミオシン軽鎖を検出しているが,心筋ミオシン軽鎖は心筋ミオシン軽鎖より安定であると考えられている.
ミオシンは人体内で最も多く存在する蛋白の1つであり,特に筋組織では豊富で,アクチンとともに重合し,筋収縮機構を形成する.ミオシンは心筋には2種の重鎖と4種の軽鎖が存在する.分子量200kDaの重鎖がダイマーを形成し,頭部に20kDaの軽鎖と17kDaの軽鎖とが結合する.本系は心筋ミオシン軽鎖を検出しているが,心筋ミオシン軽鎖は心筋ミオシン軽鎖より安定であると考えられている.
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