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尿中ソルビトール測定の意義
著者: 藤田孝1
所属機関: 1藤田保健衛生大学病院臨床検査部
ページ範囲:P.537 - P.538
文献購入ページに移動糖尿病では,血糖コントロールが悪いと糖尿病性神経障害をはじめとする各種の合併症が誘発されてくることはよく知られている.この合併症誘発の原因の1つとして「浸透圧仮説」が唱えられ,糖代謝異常時にポリオール代謝が果たす役割が重要であると注目されてきた.この仮説は,持続的な高血糖によりアルドース還元酵素(aldose reductase;AR)の活性が上昇し,グルコースからのソルビトール産生が亢進されて細胞内にソルビトールが蓄積する結果,合併症が誘発されるというものであると報告されている1).そのため現在では,手・足の知覚異常に対する改善薬としてAR阻害剤が開発され,糖尿病性神経障害の進展阻止に対して一定の成果を挙げている.
従来よりわれわれはポリオール代謝に注目し,血中ソルビトール濃度の測定法を開発2)し,その有用性について報告する3)とともに,尿中ソルビトール測定の有用性についても検討を行ってきた.
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