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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻6号

2003年06月発行

文献概要

トピックス

男性の更年期

著者: 伊藤直樹1 塚本泰司1

所属機関: 1札幌医科大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.540 - P.542

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 ■男性に更年期はあるのか?

 男性では女性と違い加齢に伴う性ホルモンの低下は個人差はあるものの急激なものではなく,「更年期」とは無縁とされてきた.しかし,高齢化社会が急速に進行するに伴い,高齢者のquality of life(QOL)の向上に目が向けられ,男性ホルモン低下に起因する諸症状の存在がクローズアップされてきた.テストステロン(testosterone)低下で示される生化学的異常と,それに基づく症状・所見から成る症候群に対して,欧米では男性更年期ではなく,androgen decline in the aging male(ADAM)あるいはpartial androgen deficiency of aging male(PADAM)という診断名が用いられている.

 ■テストステロンの生理作用と加齢に伴う変化

 テストステロンは脳,筋,骨,精巣,前立腺,陰茎,心血管系などに作用する.血中テストステロンの約65%は性ホルモン結合グロブリン(sex hormone-binding globulin;SHBG)に結合しており,約35%がアルブミンと結合,1~2%が遊離テストステロンの状態となっている.SHBGに結合していないものが生物学的活性を有するbioavailable testosteroneである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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