icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻7号

2003年07月発行

文献概要

けんさ質問箱Q&A

真性多血症患者の骨髄スメアで空胞を持つ細胞

著者: 桑島実1

所属機関: 1香川県立中央病院・検査科

ページ範囲:P.645 - P.647

文献購入ページに移動
Q 真性多血症患者の骨髄スメアで空胞を持つ細胞

真性多血症患者の骨髄スメアで空胞を持つ細胞を多数認めました(図).骨髄系(blast,pro,myelo,eosino),赤芽球系とさまざまな細胞に認められます.ヘモグロビン(Hb)14.0~15.0g/dlで,白血球,pHは正常範囲にありました.空胞を持つ細胞はどういう場合に出現するのでしょうか,出現の機序と,臨床的意義を教えてください.(防府市 T. I. 生)

A 骨髄像を観察していると,しばしば空胞を持った細胞に出会うことがありますが,バーキット型リンパ腫(Burkitt lymphoma)/白血病のように空胞自体が鑑別診断の決め手になるものを除き,あまり注意していないのが実情です.この点,質問されたT. I. さんがさまざまな細胞に空胞があることに気づかれたその観察力にまず敬服いたします.ただ,骨髄像だけでなく,同時に患者さんの年齢,性別,治療内容,経過,生活習慣,家族歴などの臨床所見にも注意を向けると,疑問点の解明に役立ち,ひょっとするとまったく新しい症候群の発見につながるかもしれません.後日,ぜひ検討してください.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?