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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻7号

2003年07月発行

文献概要

検査じょうほう室 緊急:現場から学ぶ対処法

血中K濃度が異常高値を示す2例

著者: 伏見了1

所属機関: 1大阪大学医学部附属病院手術部

ページ範囲:P.654 - P.656

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はじめに

 血中K(カリウム)濃度が患者の臨床症状と離反して異常高値を示す場合として以下の3例がよく知られている.①赤血球が溶血した場合,②血液が低温条件下に保存された場合,③EDTE-2Kなどの抗凝固剤が混入した場合〔この場合はK塩が直接混入して高値となるが,解糖阻止剤のフッ化Na(ナトリウム)が混入した場合には赤血球膜Na-Kポンプが停止し,Kが漏出することから高値となる〕.これらの3例は試料外観の観察や乳酸脱水素酵素活性の過去値との比較およびCa(カルシウム)値低下の有無などから原因を推察することが可能であり,現実としてそのように対応しているものと想像する.

 しかし,本稿で解説する血中K濃度が異常高値を示す2例はその多くが見逃されてしまい,結果的に検査部に対する医師の不信を招きかねないことから以下に述べることをよく理解して,十分に参考にしていただきたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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