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技術講座 微生物
細菌性膣症の診断と膣内細菌叢の検査
著者: 中村敏彦1 川村千鶴子1 渡邉邦友2 貝森光大3
所属機関: 1青森県立中央病院臨床検査部 2岐阜大学生命科学総合センター嫌気性菌実験分野 3青森県立中央病院臨床検査部
ページ範囲:P.699 - P.706
文献購入ページに移動膣分泌物の塗抹標本の観察により直接算出するNugent scoreは,今や細菌性膣症(bacterial vaginosis;BV)の診断の補助的手段としてのみならず,性感染症の存在を予測するチェック項目の1つとして,また閉経以後に起こる女性の尿路感染症や膣炎に対するホルモン療法の効果判定法の補助としてなど,膣内細菌叢の病的状態を評価する方法としての重要性が高まってきた.膣内細菌叢の乱れは,女性産道感染症の根源であると考えられることから,筆者らは,膣内細菌叢の乱れの程度を示しているNugent scoreを単にBV診断の補助としてのみならず,膣分泌物の細菌学的検索の範囲を決定する場合の指標として広く用いることを考えた.最近,膣内のLactobacillus crispatusや細菌性膣症関連細菌の状態や消長を分子生物学的な手法を用いてつかみ,診断治療に応用しようとするアプローチの検討もみられるようになっている.
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