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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻8号

2003年08月発行

文献概要

ラボクイズ

7月号の解答と解説

著者: 牟田正一1

所属機関: 1国立小倉病院研究検査科

ページ範囲:P.709 - P.709

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【問題1】 解答:③a,e

解説:顆粒球の形態異常は①核の異常,②細胞質の異常,③大きさの異常に大別される(表).

 図1の好中球は顆粒の増減や空胞形成など細胞質の異常は認められず,細胞の大型化と核の過分葉が見られる.成熟好中球の分葉数は通常3~4核で6分葉以上は明らかに異常な状態である.設問の好中球は6核で通常の2倍分葉しており大型化も伴っている.過分葉の機序は以下のとおりである.ビタミンB12(VB12)や葉酸欠乏が起こると核酸代謝異常を呈しDNA合成障害がみられるため,細胞分裂期に核の成熟不全が起こり細胞分裂のタイミングを逸して4NのDNAを持ったまま成熟好中球となり,過分葉と大型化が見られる.そのほかでは原因は不明であるが骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS),骨髄増殖性疾患,類白血病反応などでも出現する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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