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ラボクイズ
7月号の解答と解説
著者: 牟田正一1
所属機関: 1国立小倉病院研究検査科
ページ範囲:P.709 - P.709
文献購入ページに移動【問題1】 解答:③a,e
解説:顆粒球の形態異常は①核の異常,②細胞質の異常,③大きさの異常に大別される(表).
図1の好中球は顆粒の増減や空胞形成など細胞質の異常は認められず,細胞の大型化と核の過分葉が見られる.成熟好中球の分葉数は通常3~4核で6分葉以上は明らかに異常な状態である.設問の好中球は6核で通常の2倍分葉しており大型化も伴っている.過分葉の機序は以下のとおりである.ビタミンB12(VB12)や葉酸欠乏が起こると核酸代謝異常を呈しDNA合成障害がみられるため,細胞分裂期に核の成熟不全が起こり細胞分裂のタイミングを逸して4NのDNAを持ったまま成熟好中球となり,過分葉と大型化が見られる.そのほかでは原因は不明であるが骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS),骨髄増殖性疾患,類白血病反応などでも出現する.
解説:顆粒球の形態異常は①核の異常,②細胞質の異常,③大きさの異常に大別される(表).
図1の好中球は顆粒の増減や空胞形成など細胞質の異常は認められず,細胞の大型化と核の過分葉が見られる.成熟好中球の分葉数は通常3~4核で6分葉以上は明らかに異常な状態である.設問の好中球は6核で通常の2倍分葉しており大型化も伴っている.過分葉の機序は以下のとおりである.ビタミンB12(VB12)や葉酸欠乏が起こると核酸代謝異常を呈しDNA合成障害がみられるため,細胞分裂期に核の成熟不全が起こり細胞分裂のタイミングを逸して4NのDNAを持ったまま成熟好中球となり,過分葉と大型化が見られる.そのほかでは原因は不明であるが骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS),骨髄増殖性疾患,類白血病反応などでも出現する.
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