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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻9号

2003年09月発行

文献概要

オピニオン

輸血療法委員会と適正輸血―新たな「血液法」施行をふまえて

著者: 比留間潔1

所属機関: 1都立駒込病院輸血・細胞治療科

ページ範囲:P.780 - P.780

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 適正輸血はなぜ必要か?

 医療はすべて適正であるべきだが,輸血療法には特段の適正性が求められる.血液製剤は献血により得られた人体の一部であるため倫理的観点から他の薬剤以上に適正な使用が求められる.また,免疫性副作用や感染性副作用など一定の不可避的な危険性を有するため,真に必要な場合だけ使用する必要がある.さらに,わが国ではアルブミンや血漿製剤の使用過多が問題になっており,特にアルブミン製剤は60%以上を輸入に依存している.いわゆる薬害エイズを引き起こした非加熱血液凝固因子製剤はすべて輸入製剤であった.

 血液製剤適正使用を定めた血液法の実施

 適正輸血を進めるために厚生省(現厚生労働省)は血液製剤の使用指針(1999年)を発行しているが,これが必ずしも臨床現場に浸透しているとはいえない.筆者の病院では新人医師を対象に1時間の輸血ガイダンスを行い,輸血業務ルール一般とこの使用指針の概略を説明している.しかし,この使用指針の存在自体を知っている医師は常に半数以下である.これは,輸血医学教育の貧困さも原因と思われるが,医療現場で適正な輸血療法を浸透させる強力なプログラムの必要性を示している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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