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技術講座 病理
乳がんパラフィン標本におけるHercepTestとFISH法の比較
著者: 伊藤緑1 柴田典子1 秋野真也1 林香織1 石田廣次1 谷田部恭2
所属機関: 1愛知県がんセンター臨床検査部 2愛知県がんセンター遺伝子病理診断部
ページ範囲:P.787 - P.792
文献購入ページに移動近年の目覚ましい分子生物学の進歩に伴って,分子標的薬として多数の薬剤が開発されつつあり,一部では臨床応用されている.CD20を標的としたリトキシマブ(rituximab),EGFRを標的としたゲフィチニブ(gefitinib),bcr/ablを標的としたグリベック(R)(メシル酸イマチニブ),今回取り上げたHER2/neuに対するトラスツズマブ(trastuzumab)などが抗腫瘍薬として現在すでに使われている.しかしながらその作用機序はいまだ不明な点が多く,効果が期待できる症例の選択に苦慮することもある.ゲフィチニブは効果のある人には数週間で腫瘍の消失をもたらすにもかかわらず,その予測は臨床的に不可能である.また,間質性肺炎などの副作用を生じる症例もある.このような薬剤はすべて高価であり,費用対効果を考えるうえで,効果のあがる症例を抽出する検査が重要となる.
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