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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻9号

2003年09月発行

文献概要

ラボクイズ

8月号の解答と解説

著者: 大家辰彦1 犀川哲典1

所属機関: 1大分医科大学臨床検査医学講座

ページ範囲:P.803 - P.803

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【問題1】 解答:③

解説:本例の心電図は上段の四肢誘導記録時には非持続性多形性心室頻拍であり,下段の胸部誘導記録時には洞調律となっている.心室頻拍時も心室性期外収縮2発目が1発目の期外収縮のST部分より生じておりいわゆる R on T から心室頻拍が誘発されている. 洞調律時の心電図を見るとQTが延長しており(QTc=640msec),左から2番目の心室性期外収縮出現直後のQRS波形後のST部分の延長は特に著明である.

 このような心電図上QT時間の著明な延長を来す疾患をQT延長症候群と呼び,本例のような多形性心室頻拍(Torsades de Pointes)を生じ失神発作や突然死の原因となる疾患である.通常バゼットの補正式(Bazett's formula)により心拍数補正をした修正QT時間(QTc=QT/√RR)が440msec以上の場合にQT延長と定義する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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