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文献詳細

雑誌文献

検査と技術31巻9号

2003年09月発行

文献概要

復習のページ

Clue cellが教えてくれたこと―細菌性腟症と妊婦の婦人科細胞診

著者: 渥美鈴恵1

所属機関: 1兵庫県立塚口病院研究検査部病理

ページ範囲:P.846 - P.847

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[細菌に導かれて]

 細胞診は本来,悪性腫瘍のスクリーニングが目的であるが,顕微鏡下での標本中にはいろいろな病態が反映されており,いわゆる非腫瘍性疾患(感染症など)に対しても推定病変を付記することが浸透しつつある.その1例として,clue cell(平上皮細胞に糸玉状に無数の菌が群がっている細胞)はガルドネレラ(Gardnerella)による非特異性腟炎の指標とされている.しかし,日頃より細菌に親“菌”感(親近感)を持っていた私は,菌の形や大きさ,並び具合などに注目すると,clue cellに違いがあると感じていた.そこで,今回グラム染色(Gram stain)およびパパニコロウ染色(Papanicolaou stain)が同時実施された3,000例について再検討を行ってみた.

[標本中に見られたclue cell(図1~3)]

 clue cellを形成する細菌は以下に大別された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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