icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻1号

2004年01月発行

文献概要

検査じょうほう室 生化学:おさえておきたい生化学の知識

HOMA-RとGA値

著者: 髙加国夫1

所属機関: 1東京都済生会中央病院臨床検査科

ページ範囲:P.66 - P.68

文献購入ページに移動
 はじめに

 糖尿病はインスリン作用の不足による慢性高血糖を主徴とし,特有の合併症を引き起こし大血管症など全身に障害をもたらす疾病である.1999年に日本糖尿病学会は糖尿病の新たな分類を発表し,(1)1型糖尿病,(2)2型糖尿病,(3)そのほかの特定の機序,疾患によるもの,(4)妊娠糖尿病とした.1型糖尿病は膵β細胞破壊を特徴とし,2型糖尿病はインスリンの分泌低下と感受性低下(抵抗性の増大)の両者が発症にかかわると定義されている.インスリン抵抗性は2型糖尿病にみられる病態を特徴とし,高脂血症,高血圧症などと密接に関連している.インスリン抵抗性を表す指標には75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT),グルコースクランプ法,SSPG(steady-state plasma glucose)法,ミニマルモデル法などいくつかあり,それぞれ長所・短所を有している.Matthewsら1)が提唱したhomeostasis model assessment(HOMA)は糖の許容力をFPG(fast-ing plasma glucose,空腹時血糖値)とFIRI(fast-ing insulin resistance index,空腹時インスリン値)の積で示し,その標準分子量との比をindex化したもので,HOMA-Rと呼ばれ,実用的に優れた指標として注目されてきた.一方,血糖コントロールの指標として従前よりFPG,食後血糖値,HbA1c値,1,5AG値などいくつかの検査とその組み合わせが用いられているが,最近ではグリコアルブミン(GA)が注目されている.アルブミンはヘモグロビンに比し半減期が短く,糖化物であるGAも細胞内糖化物のHbA1cより明らかに短い.血糖コントロールの短期指標としてGAの有用性が再評価されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら