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ラボクイズ
12月号の解答と解説
著者: 川元博之1 谷村晃1
所属機関: 1下関市立中央病院検査部病理検査部
ページ範囲:P.35 - P.35
文献購入ページに移動解説:背景には,壊死とは異なるライトグリーン淡染性の蛋白様物質(lymphoglandular body)が見られます.やや大型でN/C比の高いもしくは裸核様の単一な類円形細胞が,孤立散在性に出現しています.一部の核にはくびれが見られ,クロマチンは微細顆粒状,核小体は大型で目立ちます.浸潤性小葉癌に見られるようなICL(intracytoplasmic lumen)や結合性は認められません.髄様癌は,背景に異型のないリンパ球が見られますが,ほかに疎な結合を示す大型の腫瘍細胞が認められます.腺癌との鑑別になる粘液物質も見られず,細胞も大型であることより,悪性リンパ腫大細胞型が考えられます.この症例は加えて,び漫性B細胞型でした.乳癌に発生する悪性リンパ腫のほとんどがB細胞性でび漫性大細胞型が最も多いです.特徴は,節性の悪性リンパ腫と同様です.この症例に関しては,原発かどうかは不明で,ほかには肝,肺,消化管,リンパ節としては後腹膜リンパ節に見られました.
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