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増刊号 細胞像の見かた―病理・血液・尿沈渣 第1章 病理 細胞像からここまでわかる 4.呼吸器
5)大細胞癌
著者: 堀内啓1 荒井政和1 松谷章司1
所属機関: 1NTT東日本関東病院病理診断部
ページ範囲:P.957 - P.959
文献購入ページに移動大細胞癌は,腫瘍が特定の分化傾向を示さず,扁平上皮癌,小細胞癌,腺癌の特徴的所見を欠く悪性上皮性腫瘍であり,他の組織型に分類することが不可能な,分化傾向を失った癌に対するゴミ箱(wastebasket)的な診断名といえる.したがって,生検で大細胞癌と診断されても,他の組織型の低分化成分を見ている可能性はあり,手術材料で特徴的な分化像が見つかれば,他の組織型に分類されることも稀ではない.
肺癌取扱い規約では,大細胞癌を粘液形成型と粘液非形成型に分類し,腫瘍細胞内に粘液が認められても,管腔形成がなければ腺癌とはしないが,WHO分類では,強拡大2視野中に5個以上粘液を持つ腫瘍細胞があれば腺癌に分類される.また,肺癌取扱い規約では,大細胞癌の中に巨細胞型という亜型を設けているが,WHO分類では巨細胞癌は大細胞癌とは別の項目で取り扱われている.WHO分類では,大細胞癌の亜型として,large cell neuroendocrine carcinoma, basaloid carcinoma, lymphoepithelioma-like carcinoma, clear cell carcinoma, large cell carcinoma with rhabdoid phenotypeが記載されている.
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