icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻10号

2004年09月発行

文献概要

増刊号 細胞像の見かた―病理・血液・尿沈渣 第1章 病理 細胞像からここまでわかる 5.体腔液

1)体腔液に出現する非腫瘍性細胞

著者: 堀内啓1 原田弥生1 松谷章司1

所属機関: 1NTT東日本関東病院病理診断部

ページ範囲:P.984 - P.987

文献購入ページに移動
体腔の解剖―組織学

 体腔には,胸腔,腹腔,心嚢,関節腔があるが,本稿では,関節腔を除く体腔について解説する.これらの体腔は,漿膜に覆われた体内の腔であり,その表面には中皮が存在する.中皮は発生学的には中胚葉由来であり,病理学的には非上皮性組織に属する.

 組織学的には,中皮細胞の基底側には基底膜が見られる.中皮細胞の下には中皮下層(submesothelial layer)があり,ここには線維芽細胞とともに,豊富な膠原線維や弾性線維が見られる.胸腔と腹腔とは,臓側と壁側とでは漿膜の構造が異なる.臓側の漿膜は,中皮細胞が連続して表面を覆っているが,壁側では中皮細胞が非連続で,そこにstomaという直径2~12μmの穴があり,リンパ管が開口している.stomaは特に横隔膜の腹側面で発達している(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら