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増刊号 細胞像の見かた―病理・血液・尿沈渣 第1章 病理 細胞像からここまでわかる 6.尿
1)尿中に出現する非腫瘍性細胞
著者: 堀内啓1 原田弥生1 松谷章司1
所属機関: 1NTT東日本関東病院病理診断部
ページ範囲:P.1003 - P.1006
文献購入ページに移動尿路系とは,尿が生成されて排出される経路を構成する臓器の総称であり,腎臓・尿管・膀胱・尿道より成る.腎臓は左右一対あり,後腹膜に位置している.
腎臓は外側の皮質と,内側の髄質より成る.皮質には,ボーマン嚢(Bowman's capsule)に包まれた糸球体があり,ここで尿の元となる原尿が生成される.原尿は,近位尿細管,ヘンレの係蹄(Henle's loop),遠位尿細管を経て集合管に至る.この間に再吸収・分泌作用を受ける.集合管は腎盂に開口する.近位尿細管は立方上皮より成り,細胞質は好酸性で顆粒状,内腔側に刷子縁を持つ.遠位尿細管の上皮は立方状で,近位尿細管より丈が低く,細胞質は淡好酸性である.刷子縁は見られない(図1).集合管の上皮は,立方状から円柱状で,細胞境界が明瞭で,細胞質は淡明であり,核は類円形で中心に位置している.
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