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増刊号 細胞像の見かた―病理・血液・尿沈渣 第2章 血液 骨髄塗抹標本の見かた 6.異常細胞の見かた
3)リンパ球系の異常(2)数の異常と形態異常―⑦形質細胞の異常(1)
著者: 大畑雅彦1
所属機関: 1静岡赤十字病院検査部第2課
ページ範囲:P.1099 - P.1109
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1. 骨髄標本(図1-a)
核偏在性で核周明庭を有する,いわゆる成熟傾向を示す形質細胞が増多している.二核の形質細胞も存在する(矢印).赤芽球系,顆粒球系細胞は十分に存在し,骨髄中の正常細胞の構築は良好である.
2. 末梢血(図1-b)
強い連銭形成と小型で核偏在性の形質細胞様細胞が5個認められる.核のクロマチン構造は十分判別できないが,結節状凝集を示す細胞も散見される.細胞質は強い好塩基性である.提示した症例は,初診時より末梢血に形質細胞様細胞を85.8%認めた.その形態学的特徴は,多発性骨髄腫(multiple myeloma,MM)の骨髄に見るMM細胞より明らかに小型である.本症例は,核偏在性の形質細胞様細胞の比率と絶対数を踏まえて種々の疾患との鑑別をする必要がある.
1. 骨髄標本(図1-a)
核偏在性で核周明庭を有する,いわゆる成熟傾向を示す形質細胞が増多している.二核の形質細胞も存在する(矢印).赤芽球系,顆粒球系細胞は十分に存在し,骨髄中の正常細胞の構築は良好である.
2. 末梢血(図1-b)
強い連銭形成と小型で核偏在性の形質細胞様細胞が5個認められる.核のクロマチン構造は十分判別できないが,結節状凝集を示す細胞も散見される.細胞質は強い好塩基性である.提示した症例は,初診時より末梢血に形質細胞様細胞を85.8%認めた.その形態学的特徴は,多発性骨髄腫(multiple myeloma,MM)の骨髄に見るMM細胞より明らかに小型である.本症例は,核偏在性の形質細胞様細胞の比率と絶対数を踏まえて種々の疾患との鑑別をする必要がある.
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