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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻10号

2004年09月発行

文献概要

増刊号 細胞像の見かた―病理・血液・尿沈渣 第2章 血液 骨髄塗抹標本の見かた 6.異常細胞の見かた

3)リンパ球系の異常(2)数の異常と形態異常―⑧形質細胞の異常(2)

著者: 中竹俊彦1

所属機関: 1杏林大学保健学部臨床血液学

ページ範囲:P.1110 - P.1115

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 はじめに

 Bリンパ球系の異常は,(1)Bリンパ球になるまでの段階で腫瘍化したもの(急性・慢性リンパ性白血病),さらにBリンパ球から以降に(2)二次的(反応性)に生じた異常,および分化の最終段階で(3)形質細胞の本質的な異常,すなわち腫瘍性に起こった病態に分けて考えることができる.

 成熟Bリンパ球は,備えられた性質に対してリンパ節で特異的な抗原刺激を受けると,主に血液を経由して骨髄へ回帰して定着(ホーミング)し,その分化と成熟を支持する骨髄の支持細胞の働きインターロイキン6(interleukin-6,IL-6)を受けて,形質細胞へと分化・成熟する.代表的な分化の異常は多発性骨髄腫で,前項の「形質細胞の異常(1)」として解説された.

 ここでは,Bリンパ球から形質細胞に至る分化・成熟過程で慢性リンパ性白血病と多発性骨髄腫との中間にある高γ-グロブリン血症を示すさまざまな病態を解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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