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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻11号

2004年10月発行

文献概要

ラボクイズ

極端な異常値[1]

著者: 深津俊明12

所属機関: 1名古屋掖済会病院中央検査部 2名古屋掖済会病院中央輸血部

ページ範囲:P.1280 - P.1280

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 症 例:70歳,男性.

 既往歴:52歳,大動脈弁狭窄症兼閉鎖不全症で大動脈弁置換術,68歳,糖尿病,69歳,心不全,70歳,脳梗塞で入院歴あり.ワルファリン(1.0mg)2.5錠,ジギタリス製剤,利尿剤,降圧剤などで外来治療中であった.

 現病歴:入院2週前より,咳漱,痰が出現する.胸部X線で浸潤影を認め,気管支肺炎の診断で入院となる.マイコプラズマ抗体価の上昇によりマイコプラズマ肺炎として,CPFX(シプロキサン(R))+CAM(クラリシッド(R))を投与する.入院12日目に気管支肺胞洗浄(BAL)施行後呼吸困難が増悪し,入院15日目に心不全+重症肺炎として集中治療部に転棟となる.気管内挿管の後人工呼吸管理とし,抗菌薬をPAPM/BP(カルベニン(R))+EM(エリスロシン(R))に変更する.経口投与不能のためワルファリンを中止し,ヘパリン投与に切り替える.入院18日目に血痰出現し,ヘパリンを中止する.その後,胸部X線上スリガラス陰影は増強し,入院32日目に間質性肺炎による呼吸不全で死亡する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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