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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻11号

2004年10月発行

文献概要

けんさ質問箱Q&A

乳び血清での乳びの度合いの表現方法は

著者: 宮下徹夫1

所属機関: 1日本大学医学部附属板橋病院臨床検査部

ページ範囲:P.1315 - P.1316

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検査項目によっては乳びが大きく影響します.乳びの度合いはイントラファット20%を基準にしたりホルマジン濁度数や中性脂肪濃度が使われています.生化学の自動分析機では乳びを1+,2+と判定するものもあります.乳び血清での乳びの度合いの表現方法を教えてください.(仙台市 M. O.生)


 臨床検査室で取り扱う血清試料に見られる濁りの原因の多くはカイロミクロンによるもので,食後に採血された検体や,イントラファット,イントラリポスなどの脂肪乳剤による高カロリー輸液中の患者の血清に認められる高度な濁りでは,血清トリグリセライド(triglyceride,TG)が増加しています.脂質代謝異常の患者検体では,カイロミクロンが著増するWHO現象型分類型や型で顕著な濁りが観察されますが,,型のように,TGを多く含む超低比重リポ蛋白質(very low density lipoprotein,VLDL)が優位に増加する場合にも濁りが生じます1,2).しかし,カイロミクロンとVLDLとでは粒子の大きさが異なるためTGの量と血清の濁りとは一致しない場合もあります.では濁りの程度(濁度)はどのように表したらよいでしょうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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