文献詳細
文献概要
失敗から学び磨く検査技術 病理標本作製法
固定時に生ずるアーティファクト 長期固定による染色性の変化
著者: 吉村忍1
所属機関: 1財団法人東京保健会病体生理研究所
ページ範囲:P.1390 - P.1393
文献購入ページに移動 図1は腎臓のヘマトキシリン-エオジン染色(hematoxylin-eosin stain,以下HE染色)で,糸球体と尿細管上皮とを示している.核の染色性は消失し,細胞内の微細構造が完全に潰れて全体に厚く均一に染まって見え,自家融解によるものとは明らかに異なる組織の荒れも目立っている.本来なら尿細管上皮は多数の変成したミトコンドリアが顆粒状に存在するため細顆粒状の形態をとっていなければならない.
図2は腎臓のマッソントリクローム染色(Masson-trichrome stain)だが,色調が極端に青に傾いたカラーバランスの取れていない標本である.いずれも著明なアーティファクトを示す像である.
図2は腎臓のマッソントリクローム染色(Masson-trichrome stain)だが,色調が極端に青に傾いたカラーバランスの取れていない標本である.いずれも著明なアーティファクトを示す像である.
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