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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻13号

2004年12月発行

文献概要

検査データを考える

血小板減少症

著者: 浅妻直樹1

所属機関: 1山梨大学大学院医学工学総合研究部臨床検査医学

ページ範囲:P.1471 - P.1475

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 血小板は生理的止血や病的血栓形成に中心的な役割を果たす血液細胞であり,血小板の異常は出血性疾患や虚血性心疾患,脳梗塞などの動脈血栓症の発症に密接に関わる.血小板は血管壁の安定性にも重要な役割を果たしており,血小板減少の場合止血困難な状態を生じ,血管壁傷害の有無に関係なく出血傾向を生じることになる.

 一般に末梢静脈血中の血小板数の基準値は,15~35万/μlであるが,血小板数が10万/μl以下を血小板減少(thrombocytopenia)という.血小板減少であっても,血小板数が5万/μl以上であれば,出血傾向はほとんどみられず,外科手術も可能である.3~4万/μlに減少すると,粘膜,皮膚に粘膜出血,出血斑が出現し,歯肉出血,鼻出血,血尿などが認められるようになり,2万/μl以下の高度の血小板減少症では,頭蓋内出血,消化管出血などの重篤な出血症状を呈するようになり,病態によっては早急に血小板輸血が必要になる.しかし,日常の臨床検査業務で遭遇する血小板減少の中には,血小板が少なく算定される結果生じる,見かけ上の血小板減少(偽性血小板減少)も認められている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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