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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻13号

2004年12月発行

文献概要

トピックス

初心者に必要な採血法の知識

著者: 小宮山豊1 吉賀正亨1 吉岡貞子2

所属機関: 1関西医科大学臨床検査医学講座 2関西大学病院中央検査部

ページ範囲:P.1501 - P.1504

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 はじめに

 最近発行された日本臨床検査標準協議会(Japanese Commitlee for Clinical Laboratory Standards,JCCLS)の「標準採血法ガイドライン(第1版)」の緒言が「適正な検体採取が検体検査の基本であるとすれば」で始まることからわかるように,血液検体検査は採血時より始まる1).したがって,検査部門職員は積極的に採血に関与しなければならない.臨床検査技師が採血する利点は,採血不良検体(凝固や量の不足や採血管間違い)の防止や採血困難時の採血管の共用(測定原理の理解による他管種での流用)が考えられる.一方で採血管の細菌汚染問題は,2003年秋に報道され,全国の病院で混乱を招いた2).これらの背景から,本稿で解説する採血法は標準法ではないが,われわれが新人や医学生および看護師に採血訓練をした経験を踏まえ,新しく採血業務に取り組む臨床検査技師が安全に採血を実施するための手順・注意事項を記した.なお,筆者は,初心者の場合,注射器採血が基本であると考えるため,さらに,適正に行えば,注射器・真空採血管採血ともに安全であることから,本稿は,注射器による採血法を取り上げた.採血に関するわが国の標準法は,2004年7月にJCCLSから発行された「標準採血法ガイドライン(第1版)」である.ぜひ参照していただきたい1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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