文献詳細
文献概要
ラボクイズ
11月号の解答と解説
著者: 東克巳1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.1461 - P.1461
文献購入ページに移動【問題1】 解答:(2)サプレッサーT細胞
解説:細胞表面マーカー検査の結果ではCD3(T細胞マーカー)陽性,CD8(サプレッサーT細胞マーカー)陽性なので,間違いなくサプレッサーT細胞の増加である.また,活性化マーカーの一つであるHLA-DRがCD8のほとんどで陽性であることより,異型リンパ球は活性化サプレッサーT細胞の増加といえる.
この結果から確かに単クローン性の増殖の可能性も考えられる.しかし,検査所見でリンパ球増加,特に種々の異型リンパ球の増加がヒントとなる.単クローン性の増殖であれば増殖する細胞はコピーなので異型リンパ球はほぼ同じ細胞形態を示すはずである.しかし,種々の形態とあるので反応性のほうが推定される.フローサイトメトリーでは細胞形態を見ることなく分析・解析することは非常に危険である.もちろん,フローサイトメトリーだけでは診断されないが診断と直結する場合もあるので注意が必要である.本症例がよい例である.
解説:細胞表面マーカー検査の結果ではCD3(T細胞マーカー)陽性,CD8(サプレッサーT細胞マーカー)陽性なので,間違いなくサプレッサーT細胞の増加である.また,活性化マーカーの一つであるHLA-DRがCD8のほとんどで陽性であることより,異型リンパ球は活性化サプレッサーT細胞の増加といえる.
この結果から確かに単クローン性の増殖の可能性も考えられる.しかし,検査所見でリンパ球増加,特に種々の異型リンパ球の増加がヒントとなる.単クローン性の増殖であれば増殖する細胞はコピーなので異型リンパ球はほぼ同じ細胞形態を示すはずである.しかし,種々の形態とあるので反応性のほうが推定される.フローサイトメトリーでは細胞形態を見ることなく分析・解析することは非常に危険である.もちろん,フローサイトメトリーだけでは診断されないが診断と直結する場合もあるので注意が必要である.本症例がよい例である.
掲載誌情報