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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻2号

2004年02月発行

検査データを考える

尿路感染症と尿中菌量

著者: 門田晃一1 公文裕巳1

所属機関: 1岡山大学大学院医歯学総合研究科泌尿器病態学

ページ範囲:P.153 - P.156

文献概要

 はじめに

 尿路感染症は,主に細菌の上行性感染による尿路の非特異的炎症である.ヒトの細菌感染症に限定すると最も頻度が高く,臨床の現場で尿が細菌培養検査の検体として提出される機会も少なくない.尿路に炎症を惹起する病態としては,細菌感染症以外にも薬剤性膀胱炎や放射線性膀胱炎,間質性膀胱炎などがあり,尿路感染症の診断には尿の細菌培養検査が必須となる.また,治療効果の判定にも尿培養検査は必要な検査である.

 本来,正常尿は無菌であるが,採尿方法によっては常在菌により検体が汚染される危険性があり,尿培養検査で細菌が検出されればすなわち感染症と断定はできない.尿路感染症と診断するためには,検出された細菌が尿路内で増殖した細菌か否かの判断が必要であり,尿中菌量は重要な判断根拠の1つとなる.

 本稿では,尿路感染症と尿中菌量との関係について診断的意義を中心に解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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