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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻2号

2004年02月発行

文献概要

絵で見る免疫学 基礎編(50)

宿主と病原体の攻防(1)

著者: 高木淳1 玉井一2

所属機関: 1アボットジャパン(株)器機診断薬事業部・営業学術 2栄光病院

ページ範囲:P.116 - P.117

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 われわれは常にウイルス,細菌,真菌,原虫および寄生虫などの病原体にさらされている.しかし,実際に感染症に罹患するのは稀である.われわれがこれらの病原体と常に接触しているのは体表面の皮膚や体内の消化器,呼吸器,泌尿生殖器などの内側を覆っている上皮細胞である(図1上段左).したがって,上皮細胞は病原体から身体を守る最も重要なバリアーである.しかし,時として病原体は上皮細胞に取り付き,巧みに通り抜けて体内に侵入し寄生する.

 病原体は,細胞外寄生病原体と細胞内寄生病原体とに分類できる.細胞外に寄生する病原体は,間質,血液やリンパ液に寄生する病原体と上皮細胞表面に寄生する病原体とがある.前者にはウイルス,細菌(大腸菌,連鎖球菌,ぶどう状球菌),原虫,真菌,寄生虫などがあり,後者には,淋菌,ぜん虫,マイコプラズマ,肺炎球菌,コレラ菌,大腸菌,ヘリコバクターピロリなどがある.細胞内に寄生する病原体には,細胞質内寄生病原体と小胞内寄生病原体がある.前者には,ウイルス,クラミジア,リケッチア,結核菌,リステリア菌,癩菌,原虫などがある.後者には,ミコバクテリア,チフス菌,レジオネラ菌などがある(図1上段右).多くの病原体は上皮細胞を突破するのは困難であるが,これを突破して侵入した病原体に対して宿主は次の三段階の防衛手段が備えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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