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けんさアラカルト
便中脂肪定量検査
著者: 脇本理栄子1
所属機関: 1天理よろづ相談所病院臨床病理部
ページ範囲:P.150 - P.151
文献購入ページに移動下痢の分類
下痢には大きく大腸病変によるものと小腸病変によるものとがある.大腸病変による下痢は大腸内に流入している水分の吸収障害によって引き起こされる.小腸病変による下痢には分泌性のものと浸透性のものとがある.分泌性下痢は病原性微生物や薬物による腸粘膜の障害により引き起こされ,浸透性下痢は小腸内腔の吸収不良な高浸透圧物質による水分の受動的移動によって引き起こされる.牛乳を飲むことで起こる乳糖不耐症は浸透圧性の下痢として有名で乳糖負荷テストが診断に役立つ.また,広範な小腸病変では胆汁酸の再吸収が高度に阻害され,脂肪の吸収障害が起こり便中に脂肪が排泄される.
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