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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻2号

2004年02月発行

文献概要

けんさアラカルト

便中脂肪定量検査

著者: 脇本理栄子1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院臨床病理部

ページ範囲:P.150 - P.151

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 いま何故,便脂肪定量検査なのか.われわれは栄養管理チーム(nutrition support team,NST)に参加するなかで,その必要性を再認知することとなった.外来,入院患者を問わず,よく遭遇する症状の1つとして下痢がある.下痢の原因を検索していくために,また短腸症候群などの消化器疾患患者に適切な栄養療法を施すためには消化吸収機能を正しく評価することは欠かせない.ここでは下痢の分類,栄養療法と消化吸収機能および便脂肪定量についてまとめてみた.

下痢の分類

 下痢には大きく大腸病変によるものと小腸病変によるものとがある.大腸病変による下痢は大腸内に流入している水分の吸収障害によって引き起こされる.小腸病変による下痢には分泌性のものと浸透性のものとがある.分泌性下痢は病原性微生物や薬物による腸粘膜の障害により引き起こされ,浸透性下痢は小腸内腔の吸収不良な高浸透圧物質による水分の受動的移動によって引き起こされる.牛乳を飲むことで起こる乳糖不耐症は浸透圧性の下痢として有名で乳糖負荷テストが診断に役立つ.また,広範な小腸病変では胆汁酸の再吸収が高度に阻害され,脂肪の吸収障害が起こり便中に脂肪が排泄される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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