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新しい腎機能マーカー―尿中シスタチンC
著者: 内田壱夫1 後藤明子1
所属機関: 1(株)いかがく附属京都医科学研究所・研究開発部
ページ範囲:P.157 - P.160
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新しい腎機能マーカーとしてシスタチンC(cystatin C,以下Cys-C)が注目されている.既に,血清Cys-C値が糸球体濾過値(glomerular filtration rate,GFR)マーカーとして臨床的に有用であることが報告されている1,2).従来から内因性GFR物質として多用されてきた血清クレアチニン(creatinine,Cr)は,GFRが中等度以上の障害(30~40ml/min以下)で上昇するが,血清Cys-CではGFRがほぼ70ml/min以下で上昇し,Cys-CはCrでは評価できない腎機能低下域(creatinine blind range)をもカバーする感度を有することが明らかになってきた1).一方,筆者らは,尿中Cys-C値が尿細管間質障害および糸球体血圧マーカーになることを見いだした3,4).本稿ではCys-Cの,とりわけ尿中Cys-Cの腎機能マーカーとしての特性を中心に概説する.
新しい腎機能マーカーとしてシスタチンC(cystatin C,以下Cys-C)が注目されている.既に,血清Cys-C値が糸球体濾過値(glomerular filtration rate,GFR)マーカーとして臨床的に有用であることが報告されている1,2).従来から内因性GFR物質として多用されてきた血清クレアチニン(creatinine,Cr)は,GFRが中等度以上の障害(30~40ml/min以下)で上昇するが,血清Cys-CではGFRがほぼ70ml/min以下で上昇し,Cys-CはCrでは評価できない腎機能低下域(creatinine blind range)をもカバーする感度を有することが明らかになってきた1).一方,筆者らは,尿中Cys-C値が尿細管間質障害および糸球体血圧マーカーになることを見いだした3,4).本稿ではCys-Cの,とりわけ尿中Cys-Cの腎機能マーカーとしての特性を中心に概説する.
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