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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻3号

2004年03月発行

文献概要

今月の表紙

百聞は一見に如かず・3 類上皮細胞肉芽腫

著者: 松谷章司1

所属機関: 1NTT東日本関東病院病理診断部

ページ範囲:P.234 - P.234

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 類上皮細胞肉芽腫

 炎症性疾患のうち,特殊な肉芽腫形成を伴う炎症を特異性炎と呼び,その代表的な疾患として,結核,サルコイドーシスなどがある.共通した組織変化がこの類上皮細胞肉芽の形成である.

 1 . 結核結節

 結核結節は類上皮細胞の集団を囲むリンパ球浸潤から成り,特徴的なラングハンス巨細胞〔(Langhans giant cell,ラ氏型巨細胞)類上皮細胞化した組織球が合体したものと考えられている)〕が混在する.ある程度のサイズになると中心部に壊死を伴い,時間経過とともに硝子化,線維化が進み,最終的に瘢痕化あるいは石灰沈着をきたす.結核菌染色は一般的に陰性のことが多い.一方,悪性腫瘍に対する治療中や免疫抑制療法中に結核菌が大量に血行中に入り,多臓器に播種して多数の結核結節を形成したものが,粟粒結核である.粟粒大の黄白色結節が種々の臓器に多数認められる.この場合結核菌が組織学的にも証明されることが多い.上記のような背景で発症するため,ツベルクリン反応の陽性率は低いので,診断するにはまず本症を疑うことが大切で,そして喀痰や胃液検査,骨髄穿刺や尿検査などを行い細菌学的,形態学的に証明する必要がある.剖検で初めて認識されることもあるので,病理医はただちに組織標本を作製することになる.診断確定後,院内の感染対策部に連絡し,接触者リストを作り,医療従事者や家族の感染の有無をチェックする必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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