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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻3号

2004年03月発行

文献概要

けんさ質問箱Q&A

定量測定でなくてはわからないほどのHBs抗原検体の感染性は

著者: 小池和彦1

所属機関: 1東京大学医学系大学院生体防御感染症学

ページ範囲:P.266 - P.268

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Q 定量測定でなくてはわからないほどの HBs抗原検体の感染性は

イムノクロマトグラフィによるHBs抗原測定は検出に限界がありますが定量測定でなくてはわからないほどのHBs抗原の感染性はどの程度あるのでしょうか.当検査室ではすべてを定量測定できないため気がかりです.どのように対処すればよいのかも併せて教えてください.(本吉郡 M. S.生)

A 小池 和彦 こいけ かずひこ*

 B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus,HBV)の病院感染は,医療従事者にとって重大な脅威です.ウイルス量の多い,HBe抗原陽性の患者血液の経皮的曝露では,少なくとも30%の感染の危険性があります1).多いものでは1ml中に1013個のHBV粒子が存在することから,ごく少量の血液の針刺しでも感染が成立することがあるとされています.チンパンジーを用いた検討では,HBe抗原陽性の血液は10-8まで希釈しても感染が成立しています2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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