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文献詳細

雑誌文献

検査と技術32巻4号

2004年04月発行

文献概要

トピックス

キノロン耐性チフス菌

著者: 足立拓也1 相楽裕子1

所属機関: 1横浜市立市民病院感染症部

ページ範囲:P.385 - P.386

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 はじめに

 腸チフス・パラチフスはチフス性疾患と総称され,発熱や腹痛・下痢などの消化器症状を呈する全身性細菌感染症である.その原因菌はそれぞれチフス菌(Salmonella Typhi),パラチフスA菌(Salmonella Paratyphi A)であり,キノロン耐性について近年両菌ともに重要な問題となっているため,本稿では両菌についてまとめて述べる.

 チフス菌・パラチフスA菌はヒトのみを宿主とし,患者あるいは保菌者の排泄物で汚染された食物や水を経口摂取することで感染する.腸管に到達した菌はマクロファージに貪食されたのち細胞内で殺菌されないまま増殖し,腸管から血流に侵入して菌血症をきたす.症状からは全身性発熱性疾患といえる.

 わが国では第二次世界大戦後の衛生環境の向上に伴って患者発生数は激減したが,海外ではアジアや中南米などで地域内流行を繰り返しており,輸入感染症として扱われることが多い.1999年施行の感染症新法では二類感染症に指定され,有症状者は入院勧告の対象となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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