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検査じょうほう室 一般 一般検査のミステリー
空胞変性円柱って何?
著者: 田中佳1 中川静代1 松本正美1 金山泰子1 永田勝宏1 芹川冨美男2
所属機関: 1金沢医科大学病院中央臨床検査部 2金沢医科大学病院病理部
ページ範囲:P.352 - P.354
文献購入ページに移動空胞変性円柱は尿沈渣検査で検出される円柱の1つで,図1に示すように大小の空胞を持つ円柱である.図1-aに見られるような大きな泡状のものから,図1-bのような顆粒円柱内に小さな空胞を多数持つものまでさまざまである.円柱の基質はろう様であることが多く,ステルンハイマー染色(Sternheimer stain,以下S染色)では赤紫色に染まることが多い.糖尿病性腎症(血清クレアチニンが2.0mg/dl前後から)に出現しやすいことが一般的に認められており1),「尿沈渣検査法2000(JCCLS GP1-P3)」の分類でも,“その他の円柱”の筆頭に記載されている.
近年,糖尿病性腎症による腎不全が増加していることもあり,空胞変性円柱はけっして希少な円柱ではなく日常業務でも散見される円柱である.ただし,糖尿病性腎症に100%特異的な所見ではなく,頻度は低いが他のネフローゼ症候群や腎炎でもみられることがある.
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